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いつまでも、何年経っても切なくて

第2章 大切な人

そう思って、隣で歩く響をチラッと見上げるとバチっと目が合ってしまい、慌てて反らした。


そんな私を見て響は私をちゃかすように、


「何?まさか莉子も手、繋ぎたいの?」と私の顔を覗きこんだ。


そして、私の返事を待たずに私の左手を自分の右手の中に包み込んだ。


恥ずかしくなった私は『繋ぎたくなったのは響でしょ?』と可愛いげの無いセリフを言うと


「あっ、バレた?」


と言って繋いだ手を離すどころか更にギュッと握って、頬を赤く染めた...。

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