テキストサイズ

いつまでも、何年経っても切なくて

第21章 信じてる

達ちゃんは深く考えないでもらってほしいと小さな箱から指輪を取り出した


婚約指輪でも何でもないんだ
ただの俺の気持ちだからと


サイズがわからなくて...と言いながら
私の右手の薬指にそれをはめた


それはスルリと落ちてしまいそうで
「やっぱりちょっと大きかったな」
と恥ずかしそうに箱にしまう姿が可愛かった


だけど私はホっとしていた


少しずつ考えてくれればいいからと言われたけど結婚なんて考えたことも無かった



私...


結婚するのだろうか



達ちゃんと?



何だか想像できない...



私たちはその日
達ちゃんの予約してくれていたホテルに泊まった


病み上がりだから優しくするって言ったのに
とても手加減されたとは思えなかった


朝起きると達ちゃんも
「昨日はごめん」と言った


達ちゃんは午後から料理長の家に呼ばれているそうで私を家に送ってくれた後、明日会社でね、と言ってそこで別れた


鍵を開けて中に入ると
玄関に何か落ちているのに気が付いた


なんだろ...これ

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