
隠れて甘いkissをして
第9章 彼の正体
「……へぇー、珍しいけど良かったね」
そういえば、この前販促チームがやたら嬉しそうに騒いでたっけ。
私は手伝わなくていい事がわかると、自分のパソコンに向き直った。
「香は代替で決まった、このグループのRYOでもよかったと思うけどなー。
RYOくん、香と同い年なんですよー。
顔が可愛いから、最近チェックしてるんです」
香ちゃんは引き出しから雑誌を出して、ほらーっと私に見せてきた。
私はチラッと見ただけで、すぐまた手を動かす。
人気が急上昇しているアイドルグループのボーカルらしいけど
知らないからコメントのしようがないんだ。
