
隠れて甘いkissをして
第16章 不安にさせないで…
「咲原」
立花は周りを気にして、少し声を落とした。
「相手が誰か分かってるだろ?
お前も知ったと思うけど、芸能界にいる人間だ。
俺らとは全く違う世界にいるんだよ」
「……そりゃ、世界は違うけど。
普通に会話したもの」
私はちょっとムキになる。
飲みかけのビールを口に運んだ。
「七瀬隼人が会社の近くに住んでいるのは、俺も誰かから聞いたことがあるよ。
この辺に有名人が住んでるのはよく聞くし。
……咲原と七瀬隼人がどこで出会ったかは分からないけど。
やめとけって。
正気じゃないよ」
