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隠れて甘いkissをして

第1章 ツイてない日

とにかく今日は、朝からツイてない事の連続だった。


天気予報では梅雨が明けたって言ってたけど、雨は激しく降ってるし、遅延した電車内は人でごった返してて。


そのせいで髪はグシャグシャ、メイクは汗でボロボロ……


遅刻しないように走っていたら、曲がり角で人に衝突して派手に転ぶ始末。



もちろん、連続と言っただけあって、ここまでは軽い序章。


最悪なことに、不幸は会社に着いてからも続く続く。


やっとの思いでデスクに着くや否や、上司に呼ばれて昨日しでかしたミスの説教。


おまけに後輩のやり残した仕事まで押し付けられた。


……朝から疲れてる私は、少しでも早く帰りたかったけど。


ここまで不幸だと、発散しなくちゃ明日から頑張れないな……




さっきから心のなかでグチグチ呟く私。


咲原 由宇 (さきはら ゆう) 27歳。


結婚もしてないし、彼氏もいない。


都内の会社に勤める、至って普通のOLだ。

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