
隠れて甘いkissをして
第42章 最後の夜
「………由宇」
泣き止まない私の髪を、隼人は心配そうに撫でてくれた。
……この手が、好き。
私を見る、この深い目が大好き。
「………話してくれて、ありがとう」
私は隼人の手に触れて、笑顔で言った。
「私、今の話を聞けて良かった。
……隼人に出逢えて、本当に良かった。
ドキドキして、クラクラして、こんな気持ち今まで知らなかったの」
「…………」
「きっと色んな人が、隼人から同じ気持ちをもらってるんだよ」
そう言うのが精一杯。
それ以上は、言ってはいけない気持ちが一気に溢れてしまう気がして
言葉にできなかった。
