
隠れて甘いkissをして
第64章 内緒の準備
銀座を抜けて東京駅を通過する。
時刻は夜の8時を過ぎたところだ。
「…で?
あんたこれから由宇と逢うんでしょ。
どこまで迎えに行けばいいの」
隼人は携帯を取り出した。
「今日はいつもの居酒屋じゃなくて、シゲさんの店で彰達と飲んでるらしいんだ。
そのまま由宇を拾って家に戻る」
「了解」
信号がまた赤になり、車を止める。
外がすっかり冷え込んでるせいで、車の窓ガラスが曇る。
「…隼人」
アタシは前を見たまま、静かに口を開いた。
「気持ちはわかるけど…
そろそろリミットよ。
こんなこと何度も言いたくないけど、決断はしなきゃいけないの」
