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息もできない

第15章 謝って欲しいわけじゃ

食器?
燃えるゴミと食器を一緒に捨てるほど直は馬鹿じゃないだろう

考えれば考えるほど変で

俺はよくないことだとわかってはいたが、ゴミ袋の口を開けていた




なんだ、これ…………


食器は欠けるどころか傷すらついていないものばかりで、他に入っていたのは明らかに1人で食べきれるような量じゃない人が作ったご飯だった


俺は内臓がぐ、っとせり上がってくるのを感じた



直への謝罪の念は強くなるばかりで
目頭も熱くなる


けど



ーー泣いてるのは、俺じゃない

直だ



俺はなんて馬鹿なことをしたんだろう
幼馴染に嫉妬して、疑って
恋人をほったらかしにして、悲しませて


あぁでも

涙が出そうで



俺はとにかく直に会わなきゃって思って


管理人のところに向かうため階段を降りた

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