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息もできない

第16章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー)

圭太目線


その日初めて会った奴に投げ倒されてほぼ馬乗りのままヤクザばりの睨みをきかせるそいつに俺は正直ビビっていた
ネクタイが締まって呼吸が苦しくなる

「く、るし…っ」


そいつは苦しんでいる俺にお構いなしで続けた


「そうだな。関係ねぇな。でもなんか腹立つからお前も怖い目見ろよ」


なんか腹立つから……!?どんな理由で俺を痛めつけてる、んだ……


ネクタイから力が抜けて俺は両手を頭上で一纏めにされる
そこまでは俺も脳内でそいつの行動を頭で追えてたんだけど、次の行動で意味がわからなくなる


「!?」


気づくと俺はその男にキスをされていた
酸素を確保するために開いていた口には閉じる間も無く舌が挿入される

にゅる、と舌を絡まされて吸われた



なんだよこいつ……!!
意味わかんねぇ………けど……っ

キス、上手いーーーーー



「ふ、ん………ぁ」

漏れた息に快感が混じるとキスの合間にそいつは馬鹿にしたように笑った


「はっ…感じてんのか?見ず知らずの男にキスされて。このーーーー」


淫乱


と呟かれた言葉が酸欠で朦朧とした頭じゃ理解できなくて
きゅ、と握られた股間に何の違和感もなく快感を感じていた

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