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息もできない

第23章 今度は俺?

真っ暗にした部屋の中でソファに横たわる
目の上に腕を置けば僅かに見えていた月明かりも遮られて完全な黒に沈む

そこで俺は考えてた


もやもやする


直が好き

好きだから、縛ってしまいたい
ずっと部屋にいて
外に出ないで
俺にだけ笑って
俺とだけ話して
俺の知らないことは一つだって許せない


今まではそうだった

それが、直には出来ない


千尋の時と同じ?

違う


だってあの時
俺は

千尋の気持ちなんて考えてなくて


でも今は
直のことばっかり考えてる

考えてて、だから
自分の束縛願望なんてものはそっちのけで


それで
ずっとモヤモヤしてる俺は
どうしたいんだ?


心臓から脳へ、血液と一緒に上がってきた苛々は、少しだけ震えていて

これは


恐怖


直に嫌われることへの恐怖?
直が俺のこと本当は好きじゃないのかもしれないという恐怖?

違う

直のことは信頼してる


じゃあなんで?


俺の頭の中をよぎるのは
直の顔、仕草
今まで見てきた直の全部

あぁ
そうか
俺は


納得すると胸の中にすとん、と落ちる感じがするというのは本当だ

真実は常に俺の胸の中の居心地のいい場所に収まるんだ


これでちゃんと、直に話せる

まだ少し怖いけど

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