テキストサイズ

息もできない

第23章 今度は俺?

直が朝食を食べている間に俺は朗にメールを送った

暫くして返ってきた返信には
『何考えてる。大丈夫か?』
と俺を心配する言葉

朗にも散々心配かけてきたよなぁ、なんて似合わないことを考えながら


『そろそろ清算しなきゃいけないと思ってたんだ。大丈夫。直も一緒だから』


とメールを返した

その返信には一軒の家の住所のみが書かれていた


ありがとう、朗


俺は震える指で携帯の画面に映し出されたその文字をなぞった


その様子を見ていた直は心配そうな顔で「春陽?」と呼びかけてくる

俺は笑顔を作って


「ん?食べ終わった?」
「や、まだ……」
「じゃあほら、早く食べな?」


と直の心配は見て見ぬ振りをした


朝食を食べ終わってからは流石男同士とも言うべきか、出かけるまでの時間はそれほどかからない

顔を洗って着替えて髪型を整えさえすればもうそれで構わない

女性相手だとこうはいかないから、何かを考える時間もない


「直、準備終わった?」
「うん。何か持って行くものとかある?」
「いや、携帯とか必要なものだけでいいんじゃないかな」
「遠出するの?」
「そこまで時間はかからないと思うよ」
「そっか。じゃあ行こ」


俺たちは家を後にした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ