
片想いの行方
第14章 夏祭り
「もぉ、私が聞きたいのはそこじゃないんだけどっ!」
アンナがニヤニヤと笑う。
「泳げるようになったのは良いことだけど、蓮くんとはどこまで進展したの~?」
「えっ…!?あ、えっと……」
あたしはしどろもどろになりながら答える。
「と、とくに何も……」
「なぁんだつまんない。
まぁ、まだ2回目だしそんな急激に何かあるわけないか~」
アンナはため息をつく。
「本当は今日蓮くんも夏祭りに誘いたかったんだけどさー。
私も直接は脈なしだから男子に聞いてみたんだけど。
他の男子が誘ったら、蓮くん既に別の誰かと約束してるから断られたんだって」
「……そうなんだ…」
明日は日曜日だけど、お盆だから水泳教室はお休み。
次に蓮くんに逢えるのは1週間後だ。
…早く逢いたいなぁ。
