
片想いの行方
第29章 逢いたかった
RRRRRRRRRRR……
枕元で携帯が鳴った。
アンナかな…?
あたしは布団の中から手を伸ばして、画面を見ないまま電話に出る。
「はい、もしもし」
『…………香月?』
………………!!!
その声を聞いて、ガバッと布団をはねのけた。
「…れ、蓮くん……!!」
蓮くんが電話をしてくれるなんて……!
予想もしなかった出来事に、あたしの心臓は急激に鳴りだした。
『ごめん、急に電話したりして。
香月が休んでる理由を、田中から風邪だって聞いて。
……寝てた?』
「い、いいえ!!
今日は熱も下がったし、全然大丈夫です。
明日から学校行きます」
『…そっか。 良かった』
……きゅうん…
その優しい声を聞いて、一気に体の力が抜ける。
どうしよう、なんだか泣きそう……
