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片想いの行方

第31章 片方のピアス



「…たくさんの飾り物の中で、蓮とあなたは……


とっても豪華な、ピアスなのよ」






「……はぁ……?」



意味が分からず優香を見ると、優香は両耳に手を当ててニッコリと笑った。



「キラキラのダイヤが沢山散りばめてある、大きなドロップピアスよ。


存在感がありすぎて、片方だけじゃ身につけられないの。


だから……



片方を無くしてしまったら



もうひとつを持っていても、意味が無いのよ」









「……………あっそ……」






俺は呆れて、そう言う事だけしかできなかった。




本当にこいつ……性格悪いというか……


頭のネジがどっか吹っ飛んでんじゃねーか?




まぁ……優香が最初から俺をそんな感じにしか思ってなかったのは、分かってたけど……





「残念だったな。


二度と手に入らない貴重なピアスだったのに。


手放した事を、後で存分に後悔するがいい」





俺は嫌味を込めて優香に言うと、その場から立ち上がった。

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