
片想いの行方
第37章 ひとつだけの宝物
………蓮…………
お前は美和のことを、世界にたったひとつしかない宝物だと言ってたな……
本当に、その通りだったよ。
だけど
贈ったり、譲ったり
手に入れたり、しまい込んだり
………きっと、そうじゃないんだ。
光輝いて、綺麗で、手の届かない星のように
両手ですくっても、さらさらと零れ落ちる水のように
美和の想いは、最初から俺達がどうにかできるモノじゃない。
「………美和………
俺はお前が好きだ」
俺は、美和を抱きしめながら、ずっと心に秘めていた想いを口にした。
「……初めてお前を見つけた時から
俺はずっと美和の笑顔が好きだった。
……美和がまた、何もかもふっきれて、心から笑ってくれるまで
俺はいつまでも待ってるよ」
