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片想いの行方

第43章 突然の…



「美和! 待てって!」




病室を出る所で、後ろからヒメに腕を掴まれた。




「…………!」



「お前さっき倒れたんだぞ?

そんな体で急に走ったりするんじゃねーよ」





引き留められた腕に、ヒメの体温が伝わる。







突然の再会。





ずっと閉じ込めてきた想いが、心の奥からじわじわと溢れてきていた。







………振り返りたい。







だけど







「………ごめんなさい………」










私はその手を振り払って








一度も後ろを見ずに、病院の外に向かって走り出した。

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