片想いの行方
第49章 償いの理由
私の両肩に手を置いて、ヒメが真っ直ぐに見つめてくる。
「……美和。
どういうことだよ。
そんな長い間……異常だろ。
好きでやってんならともかく、苦しいなら今すぐやめちまえよ」
「…………っ」
ヒメの深い瞳が、怒りに満ちている。
この人を巻き込みたくないのに……
ヒメの優しさに想いが溢れてしまって、もう隠しておくことが出来ない。
ずっと抑えていた真実を、話し始めた。
「………止めることはできないの。
私に責任があるから。
彼が許してくれるまで、逃れることは絶対にできない」
「………責任?」
ヒメの言葉に、私は頷く。
「……2年前。
彼は、階段から落ちる事故で、右足を骨折して
普通に歩くことが出来なくなってしまったの。
仕事をするのはもちろん、日常生活にも支障が出てしまって。
………その原因が私なの」
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