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片想いの行方

第49章 償いの理由





……正直な気持ち………?



そんなこと、言ってはいけない。


こうなってしまったのは、私が悪いから。



だけど………





「………解放されたい………」





握られた手の上に、涙の滴が落ちる。



今だけ、本当の気持ちを言っていいなら……




「……また、あの頃のように、心から笑えるようになりたい。


時間を戻して、ちゃんと後悔しない選択をし直したい。


………この現実から、夢の世界に戻りたい……」






ヒメが私を静かに抱きしめた。





その背中にそっと手を回す。






………ごめんなさい………





あなたに、こんなことを言うのは間違ってる。






だけど………






私は震える声を振り絞った。










「……ヒメ……








……助けて…………」



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