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片想いの行方

第58章 忘れられない人

「…………っ」





蓮くんが私の頬を引き寄せる。





「……待って、私……」


「全部、俺のせいにしていいから」




……………っ




蓮くんと唇が重なると、もう涙が止まらなくなった。



お互いの体温が一気に上昇して、ここが外だという事を忘れてしまう。








「好きだ」




「………っ」





キスの合間に、蓮くんが囁く。




頭がクラクラして、その強さに思わず体が仰け反るけど


蓮くんの腕にしっかり支えられて、もう何も考えられなくなる。







「もう2度と、離さない」







どのくらいそうしていたか分からなくなるほど、私と蓮くんはキスを続けていた。





滲んだ涙の向こうで、東京タワーのライトアップが通常の赤い光に戻り




クリスマスの夜が静かに終わったけど





私の心は、17歳の頃と同じように






目の前の蓮くんでいっぱいになっていた。




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