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片想いの行方

第64章 片想いの結末



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「これは?」


「ダサい」


「じゃあこれは?」


「似合わない」


「…………」





年内最終日。


大晦日のお昼過ぎ。



昨日の粉雪は深夜のうちに止み、積もることなく


街のアスファルトのあちらこちらで、水溜りに変わっていた。





「~~~~!
もっとオブラートに包んだ言い方できないの!?」


「お前、これから俺の隣りを歩くんだから、もっとセンス磨けよ」





無表情のまま、ばっさり言い捨てるヒメ。


私はイラっとしながら、自分の前に合わせた服を、もとの売り場に戻した。





(やっぱり口悪い!)





…………ヒメと結ばれた翌日、一緒に実家まで帰る途中



ふらっと入った、メイン通り沿いにあるショップにて。



可愛いなと思ったトップスを、いくつか自分で選んでヒメの前で見せてみたけど、



褒め言葉は皆無。

ことごとく却下された。





「じゃあ、ヒメが選んでよ!」


「やだ。
趣味を職業にしてんだから、休日くらい息抜きさせろよ」


「…………っ」




目はハート・顔は真っ赤な店員さんに向かって、ニコッと微笑むと


ヒメはスタスタと店を後にする。



………は、腹立つ……!

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