 
神様の独り言
第7章 迷羊は知識を拾う
しかし―――――…
部屋の隅で寝ていたのは…
ハキだけではなかった…
床に…毛布を広げ…
ハキに…触れるか触れないかのギリギリの所に…
道子も…寝ていた――――…
部屋のカーテンは…二人が安眠出来る様にか…
閉められ…
間接照明が…柔らかく二人を照らしていた――――…
ハキは、自分の手にしていた手話の本を拾い――――…
“ごめんなさい”の…場所を探す―――――――…
が…覚えたくて折り目を付けた場所で自然にページが開く…
“ありがとう”
そのページが開き…
文字と…手話の解説図が飛び込んで来た…
ハキは――――――――…
ハッと我に返る…
“ごめんなさい”より
“ありがとう”を…道子には…伝えたい事を思い出す…
そして…スヤスヤ眠る道子に…
覚えたての手話で“ありがとう”を伝える…
すると……薄目を開けた道子が優しく笑い―――…
「うん…ありがとう」と、唇を動かすのが見えた…
 
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