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秘密の花園

第4章 未知

「お嬢様、起きて下さい」

「…」

「朝食が冷めてしまいます」

「…」

「お嬢様、」

「うるさい」

「…へぇ」


しまった!
起きようとしたのと同時に口を塞がれた。


「やめなさ、い!起きるから…や、め…」


何度も何度も彼に啄まれ息が出来ない。

苦しい…


「ん…っはぁ」

「未弥様、お目覚めですか?」


カーテンの隙間から差し込む日差しに負けない爽やかな笑みを向けてくる。


「ご飯」

「承知致しました」


彼の切り替えの早さにはいつも迷惑する。
今日の遠足、憂鬱だ。

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