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不器用なくちびる

第12章 再会

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次の週、私は葉子先輩の事務所にいた。
質素だけどキレイに片付いた部屋。
机には小さなお花が飾られていて…
居心地がいい空間だなと思った。
被害者の子も来るのだから、それは
とても大切なことなんだろう。


「栞ちゃん。
今日からよろしくね?」


「こちらこそよろしくお願いします!」


「栞ちゃんにも辛い経験が
あるようだけど…
無理に話さなくてもいいのよ?

ただ、話すとラクになることもある。
私も旦那に話してから世界が広がったの

旦那には酷だったかもしれないけど…
私は後悔していない。
私には必要なプロセスだったから。

栞ちゃんも…ムリはしないで。
でも話したくなったら
いつでも相談してね。」


「はいっ」


葉子先輩の方からそんな風に
言ってもらえて私はホッとしていた。
でもいつか…
葉子先輩にはちゃんと
お話したいと思った。

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