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不器用なくちびる

第14章 背徳

毎週土曜日の11時半から
私がバイトに入るまでの約4時間が
私たち2人の時間。

瑞希ちゃんと私は大学でたまに
顔を合わす程度だったけど…
たまに会うと、
まるで不倫でもしている
かのように居心地が悪かった。

でも橘くんの隣はほんとに心地よくて…
私は会うのをやめる勇気が無かった。

会っている時は
瑞希ちゃんのことも思い出せないほど
幸せに包まれた。

橘くんの連絡先を教えてもらったし
葉子先輩には何か報告しないと…

そう思ったけど、
2人の関係をどう説明したらいいか
わからなくて…
というか自分でも
どんな関係なのかわからなくて。

あれからちゃんと話せたけど
今まで通りいいお友達でいます、

と中途半端な報告をした。

…それよりもその時、私は
ちょっと気になることを聞いたのだ…

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