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不器用なくちびる

第15章 決断

「何だよそれ…」


「何だよって何が?」


「全部だよ…
輪姦って…探偵でも雇ったのか?
そんな噂話をわざわざ…
それに汚いって、瑞希の口からそんな…
お前、まさか…」


「…橘くんのことが大好きだから
ちょっと嘘をついちゃっただけよ。
でも初恋なのはほんとよ?
だから私は汚くなんかない。
橘くんだけのものよ?」


首をかしげてかわいらしく笑う瑞希。
何を言われても
俺にはもう軽蔑や嫌悪感という感情しか
浮かばないことにも気づかないのか?
瑞希…おかしいよ…


「俺は本当の香山を知ってる。
それに、香山を汚いなんて
思ったことは一度だってない。
そんな嘘をつく方が
よっぽど汚いと俺は思うよ。」


「言ってくれるわね…
でも今からでも遅くないわよ?
私がその気になれば栞ちゃんを…
橘くんもさすがに汚いと思うくらい
汚すことができるわ。
どうするかは橘くん次第だけど…」

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