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不器用なくちびる

第15章 決断

そう心に誓ったのに…
それからの俺は
瑞希の言いなりになる日々だった。

本当に忙しかったから頻繁に会う
訳じゃなかったけど、
土曜日の午後は必ず空けさせられた。

探偵を雇ったくらいだ。
香山と俺の週に一度の密かな楽しみも
もう調査済みだったんだろう。

男で良かったと思うのは…
いくら瑞希に誘われても
脅されても、俺が勃たなきゃ
何も出来ないって事だ。

男は誰とでも出来るって
よく言うけど、本当にダメな場合は
女より出来ないんじゃないのかな。

俺が小4の時の姉ちゃんの姿…

中学の時の香山の姿…

忘れられない大切な人の傷付いた姿。
それを侮辱する様な奴は許せないから。

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