テキストサイズ

不器用なくちびる

第16章 贖罪

「あの〜橘さん?
中庭って…建物の中からだと
どう見えるかわかってますぅ?」


「は…?中庭…」


今井の声に我に返った俺が
腕の中を見ると…
香山が顔を真っ赤にしていた。

良かった…もう大丈夫そうだ。

ええと、中庭…
落ち着いて考えてみると。
香山は倒れてたからロビーから
なかなか見えなかったけど…
俺がデカい図体で抱き上げて
そのままキスを…

んでもって、
ここは日が差し込んでて明るくて…
四方にあるガラス張りのロビーからは
庭のキンモクセイがよく見えてたなぁ…


「マジか///」


「しばらくは笑って見てたんだけど…
あんた5分はちゅーちゅーしてて
ロビーもどんどん人だかりが出来て
見るに見かねて…」


穴があったら入りたいとは
こういうことだな…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ