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不器用なくちびる

第22章 【椎名 16才】

椎名はすごく大人びてるけど
実際、私より4つも年下で…
かわいそうな弟を助けたい。
そんな気持ちで接し始めた私だった。

それに時にはお母さんの代わり
みたいに厳しいことも言ってあげたい。
職場では先輩だしね…

でも、それだけじゃなくなってる
自分に…私は突然気付かされたのだ。

今日、椎名と女の子がラブホテルから
出て来たところを偶然見てしまって…
ショックだった。

椎名に彼女がいる。
それが何でそんなにショックなのか…
その理由に気付いて愕然とした。

相手は16才の男の子。

しかも、椎名から聞いた
女性をまるで性の道具としてしか
見ていないような言葉に
無性に腹が立って…

私は決して言ってはならないことを
言ってしまった…

どうしよう…彼を傷付けた。
これ以上無い酷い言葉で。
謝らなくちゃ…
でもどこに行ったんだろう?

私はなんとなく
椎名と初めて会った場所へ足を向けた…

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