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殺人鬼の棲む島

第39章 5日目  昼 黒鵜館プレイルーム

生存者たちはリビングからプレイルームに場所を移す。

相変わらずの全員移動だ。

遊戯室には当然ゆきめと綴の死体が転がっている。

死後十時間以上経った死体からは腐敗の臭いがたちこめる。

「うっ……」

その悪臭に紫響がハンカチで鼻を押さえる。

あからさまに不満の表情を浮かべるが文句を言うのは控えた。

みんなで決めた行動を批判して一人別の行動をとるということは、全員に自分が殺人鬼だと言うようなものだ。

室内に入ったメンバーはそれぞれ部屋の隅に座ったり、窓の外を見ていた。

ソラは「じゃあすいませんけど」と言って部屋の奥の隅に陣取り、上着の襟をたて、首を竦めて目を閉じる。

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