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殺人鬼の棲む島

第57章 7日目 早朝 森

「望ちゃん!?」

木の根もとで倒れている望を発見した遥風は慌てて駆け寄った。

しかし歩み寄る途中で遥風は気付いてしまった。
望はもう、生きてはいないということを。


「……望ちゃん」

それはそれまでの惨殺されてきた死体に比べ、ずいぶんと綺麗なものであった。

首についた痕で絞殺されたのだとわかった。

不思議なことに望が抵抗した様子が現場にはなかった。

そして望の瞼は閉じられていた。

これは恐らく悠夢が閉じてやったのだろう。

仲の良かった二人はここでどういうやり取りをしたのか、それは遥風にはわからない。

けれどきっと望は恐怖に怯えて苦しみながら死んだわけではない。
それだけは遥風にもわかった。

望の遺体に手を合わせ、遥風は立ち上がる。

早朝の爽やかな風が遥風の髪をなびかせていた。

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