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殺人鬼の棲む島

第72章 8日目 真夜中~朝 黒鵜島

「ソラさんははじめから生きるのが嫌そうに憂いていたしkuroさんも仕事や人生に疲れていた!! みんな死にたがっていた!!」

「あたしは違うわ!! 死にたくなんかない!!」

悪魔の言葉に惑わされそうになり遥風は叫ぶ。

「……そうかな? 遥風さんだって死にたいんじゃないの?」

「そんなことっ……」

「ないと言える? 嘘だね。遥風さんも死にたいって思ってるんだよ……だけど死ねない。苦しいけど生きてる。だから私が楽にしてあげるの……ね? 遥風さん」

遥風は何も喋らなくなる。

「私はみんなを楽にしてあげたらこの島で自殺するの……そう。ここでおしまい。みんな終わりにするの……」

そっと心に語りかける。

遥風はテコ棒を倒れた本棚に挿し込み、ぐいっと本棚を持ち上げる。

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