テキストサイズ

殺人鬼の棲む島

第73章 8日目 帰還

私は船長の腕を掴んで揺らしながら訴えた。


「みんな殺されていったんですッ!! 殺人鬼が……殺人鬼がこの島には棲んでるんですッ!! 一体この島どうなってるんですか!?」

私に体を揺さぶられ、船長も焦っているようだった。


「お、落ち着けっ!! 黒鵜島は無人島だ!! 誰も住んでいない!!」


その言葉を確認して私は船長の腕を捻りあげた。


「うわっ!? な、何をするッ!!」

「うるさいっ!!」

私はナイフを船長の首もとに突き付け大人しくさせる。

すぐさま袴の帯をほどき、船長をがんじがらめに縛り上げた。

「ど、どうしたんですか!?」

「何してるのあなた!?」

二人は目を丸くして私のことを見ていた。

事情を説明するのはあとだ。

私は一言だけ、彼女たちに説明した。





「この船長が本当のすまいるさんなんですっ!!」





ストーリーメニュー

TOPTOPへ