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殺人鬼の棲む島

第74章 エピローグ

少しづつではあるが私の心も落ち着きを取り戻してきた。

以前のように、とまではいかないものの、日常生活も送れるようになっていた。

あの恐怖の八日間の記憶はきっと私の脳内から消えることはないだろう。


しかしそれでも私は生きていかねばならない。


死んでいったみんなのためにも。



そして私は以前のように携帯で小説を書こうとケータイ小説サイトを探した。

ひとつのサイトを発見し、システムや機能に満足して会員登録を行った。


そのサイトで気になる小説を見つけてクリックする。

面白そうとかではなく、何か禍々しいものを感じたのだ……


その小説のタイトルは『殺人鬼の棲む島』。


「えっ……これって……」


読み進めていくうちに血の気が引いていく。


そこには私が体験したあの恐怖の八日間が克明に記載されていたのだ……


なぜ……

すまいるは獄中でネットなどできるわけがない……

あの島での出来事を知るものは全員死んだはずなのに……ッッ

偶然の一致というにはあまりに生々しすぎるっ……

私はスマホを投げ捨ててガタガタと震えていた。



殺人鬼の棲む島  ~終~


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