テキストサイズ

レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

  偽りのウェディング・ベル

 その日は前日まで続いた残暑が嘘のように気温が低くなった。朝から空は深いコバルトブルーに染まり、教会の上を名も知らぬ白い鳥が翼をひろげて飛んでいた。
 美奈恵が健吾と結婚式を挙げるはずだったのはN町の外れにある小さな教会だった。既に昨日、健吾からは正式な破談が通告されてきていた。もちろん、美奈恵はそのことを京都の祖母に連絡はしていない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ