
好きで、好きで、好きで。
第1章 想い人
「はぅ..美味じゃ..」
操はクレープから口を離して、うっとりと呟いた。
それを見ながら紗理奈が笑ういつもの光景。
「操ってばクレープ食べてる時、ほんっと幸せそうだね~」
紗理奈の言葉に大きく頷いて、もう一口頬張る。
「くれーふ、と、ゆーくんがいたら、わらひひあわふぇ..」
「飲み込んでから言って。」
「んくっ..クレープと優くんがいたら、私幸せなんだぁ~」
クリームを口の周りにいっぱいつけて照れたように言う操は、本当に幸せそうだった。
紗理奈はそんな友人を少し哀れに思いながらも、小さく頷くしかない。
(よくやるよね..私なら絶対無理。)
ふと元彼を思い出してしまい、振り払うようにクレープを頬張った。
