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とあるホストの裏事情・完

第12章 愛と不安

「…………そんな事より、何で付き合ってるんですか?」
「は?え、好きだから以外に何があるわけ?」
「っ、……」


“好きだから以外に何があるわけ?”


「お前、よくそんな恥ずかしいこと言えるな……」


照れ隠しで出た言葉。
俺の胸の内、全部将悟が分かってるはずなのに……
俺って、ホントばか。


「そうなんですか…」
「だから、あんまりくっつくなよ?」
「う…はい、頑張りますっ」

満面の笑みでそう答えた遥に、どこか裏があるような気がして。
そう思ったのは、俺だけだろうか。


「……で、こんな話した後で言いづらいんでけど……」
「ん?」

もじもじしながら上目遣いでこっちを見る。
……結構やり手だな、やっぱり。


「僕、大学行ってて…それでそのレポートがまだ終わってないんです…」
「うん」

一歩こっちに近付き、また上目遣い。

「僕の家に来て、教えてくださいっ…」

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