テキストサイズ

エール

第1章 リーヴル

......

これは何だろう...............。何だかすごく体が暖かい...............。

......


ツンツン、と頬に何かがあたる感覚で、私は目が覚めた。



目をゆっくりと開いていくと、目の前には真帆(まほ)の顔が。


真帆..............................私の双子の妹。


一卵性だから、すごく似てる。


中身は正反対で、活発な子だけど。



「起きな~。みんな来ちゃうよ!」


と、私の頬を指でつついた。


「え、もうそんな時間?」


慌てて顔をあげると、今まで真帆に隠れて見えていなかった和希君が、こっちを見つめているのと目が合った。



み、見られてた!?



居眠りしていたのを見られていたのかと思うと、恥ずかしくて、カーッと頭に血が昇った気がした。



......今私の顔は真っ赤だな。




顔をブンッと背けると、プッと吹き出された。



「珍しいなっ。お前が居眠りとか。」


「ねー。あたしもあんま見たことないかも。」



2人と反対方向を向いて恥ずかしさに耐えていると、2人の仲良さそうな笑い声が響いてきて、ちょっと胸が痛んだ。



...いつの間にあんなに仲が良くなったんだろう。

真帆はいつも、私が出来ないことを一瞬でやってしまうから、羨ましい。



ハアと、ため息を吐いて、私は髪の毛で顔を隠した。



ついでに耳も塞いで、2人の話が聞こえないようにした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ