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俺のウサギちゃん

第24章 試合と約束

「いつも試合前は緊張して駄目なんだ…。あのお守りも無いし。」


「あぁ…。元気がでるお守り?」


「そう…。小さい時からの習慣だったんだ…。情けねぇな…。」


あたしにすがりつくように、大きな身体を小さく縮こめて抱きしめている。



「大丈夫だよ〜。いっぱい練習したんだから。」



「……。」


あたしは、俊くんの背中に手を回して撫でながら励ました。


「明日、渡そうと思ってたけど丁度良かった。これ、貰ってくれる?」



あたしは、俊くんに手作りのお守りを手渡した。

おばあちゃんに作り方を聞いて、紺の生地でお守り袋を作り、ウサギのアップリケを縫い付けた。


「おばあちゃんに、聞いてあたしが作ったの。これで、リラックスして頑張れ‼︎ 」



俊くんは、お守りを両手で受け取ると、すぅーっと香りを嗅いで眼を閉じた。


「どう…?同じようなポプリを入れたんだけど…。」


「イイよ。同じ薫りがする。」


俊くんが、晴れ晴れと胸がすくように笑った。


「ごめんな…こんな遅くに。みみこの匂いを抱きしめたかった。これで、大丈夫だよ。無敵になった気分だ。」


「ふふっ、大袈裟なんだから…。明日は、情けないとこ見せたら承知しないぞ。」


「明日の俺は、大丈夫だ。今だけ…。」


「会えて嬉しいよ。…優勝できるといいね。」


小さい時に、あたしが渡したお守りが、こんなにも俊くんに影響を与え大事にされてたことに感動した。


どうか、あたしが作ったお守りにご利益がありますように…。


どうしよう…
めちゃくちゃ不安になってきた。


あたしは今日、一生のうち一番、神様にお祈りしたのだった。














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