テキストサイズ

俺のウサギちゃん

第29章 祭りの後のナイショ話

ようやくバイトが終わった。

広兄が用意してくれた夕飯を食べて、ようやくお店を出た頃には夜の10時は過ぎていた。

うだるような蒸し暑さの中、駅への道のりをお馴染みの四人で帰って行く。



駅へ向かう途中、ななみがコソコソ話しかけて来た。


「みみこ…あれからも様子がおかしかったけど…ひょっとして僕のせい?…ゴメンね。」


ななみが、恥ずかしそうに申し訳なさそうに謝ってくれる。



「ううん…大丈夫だよ。
ななみのせいじゃないよ〜。」


「もしかして…広兄に聞いた?
休憩室出てすぐにすれ違ったんだ。
広兄も、休憩室に来ただろ?」


ドキッ!


「ゴメンなさ〜〜い!
ななみが、聞くなって言ったのに…。
どうしても知りたくて…。」



「聞いちゃったのか⁈
わぁ〜〜!
だ、大丈夫か?
恥ずかしいコトされなかった?」



「ううん…詳しくは教えてくれなかったの。
俊くんに、聞いた方がいいって。」



ななみは、ワンレンショートの髪をかき上げながらクスッと笑う。



「広兄が…か?
マジか?…意外に紳士だな。
よかった…。
うん、僕も広兄の意見に賛成だ。」



またも、クスクスと笑いながらそう言った。



「あのさ…ななみ〜
俊くんに聞いたら喜んでくれるの?」





ストーリーメニュー

TOPTOPへ