
禁断ハーレム〜beastな関係
第2章 再開は突然やって来た
無い..........
無い無い無い無い無いっ!!!!!!
何も無いっ!!!!!
家具から生活用品に至る物まで見事なまでに何も無い
バスルームを覗くもシャンプー類から身体を洗うスポンジに湯船に浮かべるアヒルからバスキャンドルまで無くなってる
トイレはトイレットペーパーから飾ってた小さなサボテンまで無かった
キッチンは屑一つ落ちておらずピカピカに輝いてる
朝出た時は飲みかけの紅茶をシンクに置いた筈.......
私のお気に入りのクッションは?必死で集めたミニチュア家具は?
...........泥棒?
それにしてはあんまりじゃない?
全部持っていくなんて.......
どうやって生活するのよぉ.......
pppppppp......
いきなり鳴り響いた着信音
表示は母だった
「............はい.....」
力なくヘナヘナと部屋の中央で腰を落とすとボソッと呟いた
「あ、菜々?今家?」
「お母.....さん............ど、ど.....どろ」
ショックが大きすぎて声が上手く出ない
そんな私の耳に衝撃的な言葉が飛び込んで来た
「家具は運び終えたからぁ!!!!」
「.......は?」
たっぷり間を置き放った言葉が狭いワンルームに響く
今なんて?
今.........い、い.........今家具を運び終えたって言った?よね.......
何で?
何で突然そんな事をしたのか凄く疑問だ
「お、お母さんっ!!!!運んだって何処に!!!!私、今の生活凄く気に入ってたのに!!!!いきなりなんて事すんの!!!!だ、大学も近くてバイト先も都合が良かったのに!!!!」
怒り半分、驚き半分焦りまくりで言葉を綴った
「え?メール見てないの?」
あっけらかんと返ってきた返事に眉を窄めながら受信ボックスを開くとそこには信じられない内容が有った
