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いじめっこのえっちな修学旅行

第3章 5月18日 日曜


三年間使い続けた
ボロボロの鞄をまた肩にかけ、

窓側の一番前の席へ腰をおろした。


「ふー。
つかれた。

つかめっちゃ静かだな」


誰かしら反応してくれる
だろうと思って
声を張った言葉は

案外誰も反応してくれなくて
ただの馬鹿デカイ
一人言となってしまった。


恥ずかしい。


まぁ、こういうときは
周りの奴らを巻き込んで

『一人言』から『二人言』、
『話し声』にすりゃいいんだ!


俺は左手で頬杖をついて
右側にいる
『今野』というやつの顔を
のぞきこんだ。



「え……」



え、誰こいつ。


名前は知らなかったとはいえ
同じ学年だから

廊下ですれ違ったり
見覚えのある顔のはずだろ?


なのに俺、


こいつマジで知らない……よ?



どうしたらいいか
わからず、

身を引いて辺りを見回す。








え、






え?







え、知らないよ?

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