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∮恋密度∮官能短編集 先生&生徒

第1章 純愛指導


「──っ…ごめん。ハハ…やっぱり無理だよな…いいよ、今の忘れて」

「え…」


中々返事を返さないあたしに、先生は何かを振っきるように車を発進させた。

「そんな考えなくていいから…無理なこと言ったの俺だし。ごめんな、教師にこんなこと言われても困るよな…」

先生は悲しそうに笑ってみせる。

「好きな奴いるの?」

「え?‥ぁ‥」

「もしかして、お前も高木のこと好きだった?」


「ぇ‥」

「‥なんだ、じゃあやっぱ、俺は初めから望みなかったんだ…はは、ザマないな…」

‥え!?


反応の鈍いあたしは展開の速さについていくことができない。徐々に車のスピードを上げ、先生は勝手に誤解したまま話を続けている


「やっぱバチって当たるんだな…生徒の相談に乗っといて教師が抜け駆けなんかしてりゃ世話ないよな…ごめんな──両想いなら応援してやるから……頑張れよ」


車はあたしのマンションの前につき、降りるあたしに先生は手を振り別れを告げる

「ホントごめんな‥変なこと言って。マジで気にしなくていいから!」

そう言って笑う先生の目が微かに赤くなってるように感じながらあたしも頭を下げてお礼を言った──

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