テキストサイズ

♡*:。.rena's world story.。:*♡

第3章 ♥忠告


「普通の会社員だよ」

「ふうん。職場は近いの?」

「うん、都内」



かなりざっくり。

これ以上聞かないでねってオーラを出す。

下手に詳しく言うと突っ込まれた時に答えられないし。

ここまで答えて、後は適当に話題を変えればいいんだ。


だけど




「その会社員のご主人の仕事、安定してる?」




私が話をする前に、直樹君が口を開いた。




「……安定?」

「今時サラリーマンなんて厳しいだろ。
給料もどんどん下がる一方だろうしさ」

「………まぁ、そうだね」

「咲原は飲料メーカーだよな。
大手企業だからまだマシか?

俺の知り合いなんて残業代もつかないのに、夜遅くまで働かされてる。
休日出勤までするバカもいるそうだ」




………うーん……
確かに世の中そうなんだろうけど。

私の会社でも、直樹君が言ったような待遇で頑張っている上司や同僚がいっぱいいるから。

直樹君の発言には、ちょっと首を傾げてしまう。





「俺は絶対にそんな人生ごめんだね。
時間に余裕があった方がいいし、土日祝日休めないなんて考えられない」




ビール1杯、まだ半分も飲んでいないのに

直樹君は上機嫌でペラペラと話す。




「会社員もそうだし、あとはあれだな。
芸能界やスポーツ界なんてのも、バカげた世界だ」

「…………!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ