
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
テーブルの上に、何かが打ち付けられた衝撃で
物凄い音を立てて、料理が乗ったお皿が揺れた。
私と直樹君は同時に顔を上げる。
「飲めねーなら、最初から頼むな。
とっくに泡消えてんだろ」
テーブルの上に打ち付けた彼のジョッキは、既に空。
直樹君の右隣りにどかっと腰を下ろして
彼は咥えたタバコに火をつけた。
「あぁ、悪い。
飲めない上に、タバコも吸わないんだよな?」
放心する直樹君の横で、彼はしれっとして煙を浮かべる。
「俺も飲む時以外は吸わねーようにしてるけど。
今、てめーを殴りたい衝動を抑えるのに必死だから、大目にみてよ」
………恐ろしく低い声で、そう呟いた後に
直樹君の向こう側から顔を出して
立花は、私を真っ直ぐ見つめた。
「2時間前にした俺との約束、破ってんじゃねーよ」
「………………っ」
「と言いたい所だけど、お前は悪くない。
むしろこんな状況に耐えたんだから、褒めてやらなきゃな」
