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再会の歌

第10章 気付いた事実 樹里side

「ねえ、春。
今日は何処に行く?」



いつからか、あたしは春くんを春と呼ぶようになった。




春も最初は、急に呼び捨てでベタベタくっつくあたしに向かって、露骨に嫌な顔をしていた。



だがそれにも慣れてくると、いつの間にかあたしのことを彼女と言うようになったし、あたしも春のことを彼氏と言った。








けれどどんなに甘い時間でも、


どんなにお互い愛し合っていても、



あたしが「春」を「ハル」と呼ぶと、
凄く怒った。

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