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LAST SMILE

第12章 ライブ一色‼︎










吉報が耳に入ったのは、
9月も終わりに近付いた頃。



亜貴がめずらしく興奮気味であたしのクラスまで来た。






「麗華!」


大きな声で呼ぶもんだから、
みんながあたしを見た。


クラスに亜貴が来るのは初めてだった。



だけど、あたしは亜貴にはあんまり
このクラスに来て欲しくなかったんだよね。





だって・・・。










「きゃー。種田くんだー!!」


「かっこいいよねー?」




女子の亜貴に対する株が上がったってこと。


それが問題だ。


女の子はみんな亜貴の周りに集まってしまった。





「ねぇ、種田くん、
 うちらもスタジオ?連れてってー?」


「・・・あの、麗華、いる?」





亜貴は口数も少ないし、女の子が苦手らしい。



折角いろんな女子が集まるのに、
亜貴はちっとも相手にしない。



うちらバンドメンバーでいる時と、
学校での亜貴はまるで別人。



なんでなんだろう・・・。





「亜貴。ここ」


あたしが席に座ったまま手をあげると、
亜貴が教室内を覗き込んだ。



あたしと目が合うと少しだけ口角をあげて、
自分を取り巻く女の子には目もくれずに、
あたしのそばまで近付いてきた。





「麗華、これから忙しくなるぞ!!」


「なんで?」



「10月から、ライブの誘いが
 ばんばん来てんだ!そんでもって、
 今年の締めはクリスマスライブ!
 だから、練習量増やすから頭に入れておけよ?」





亜貴はそれだけ言うと、
あたしの頭を撫でて教室を出て行った。





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