LAST SMILE
第7章 お兄ちゃん
*
あの日、お兄ちゃんは悲しそうな顔をしていた。
それからしばらくは、
お兄ちゃんとの会話はなくて、
1週間が過ぎたとき、教室にお兄ちゃんが来た。
『お兄ぃ・・・ちゃん?』
『麗華・・・』
お兄ちゃんはあの日と変わらない、
悲しそうな顔をして、
それでも困ったように、辛そうに笑ったんだ。
そして、
あたしの頭に手をのせて、笑うんだ。
『大丈夫。お兄ちゃんが、ついてるから』
その日の夜中、
お兄ちゃんは病院に運ばれた。
瀕死の状態で、目を覚まさなかった、
傷だらけで、血まみれのお兄ちゃん。
あたしが呼びかけたとき、一度だけ、
ほんの少し目を開けて、苦しそうに笑った。
あたしの左手を優しく握って・・・。
日付が変わるその瞬間に、お兄ちゃんは、死んだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・