LAST SMILE
第8章 謝ってよ
*
「REIだよね?」
委員会の仕事を引き受けた日の帰り、
校門の前で呼び止められた。
顔を見ると、知らない人で、
なんだか雰囲気が少し怖い男の人だった。
制服着てるってことは、学生だよね?
ていうかこの制服・・・。
祐兎と同じ高校の生徒?
「あなた、誰?」
「や。ちょっと
顔貸してもらいたいんだよねー♪」
は?
あたしは訳のわからないまま、
後ろに一歩ひいた。
その時、
「え・・・!?」
後ろから体を押さえつけられて、
口を塞がれた。
後ろにも誰かいたの!?
目の前の男をにらみつけると、
5、6人の男が揃ってあたしの前に出てきた。
(誰・・・?こいつら一体何がしたいの!?)
「黙って大人しくしてれば、何もしないからさ」
そう言われてしばらく一緒に歩かされる。
ここ、どこだろ・・・。
もう随分歩いたはず。
あたしの歩いたことのない場所まで歩かされた。
人気のない場所・・・。
もうしばらく行くと、
廃屋となった建物の中に、あたしは入っていた。
薄暗く、
日の光が隅からほんの少しだけ、漏れるだけ。
どうしよう。
今何時かな?
みんなとスタジオで待ち合わせなのに。
みんな、心配するかな?
あ、しないかな?
この間みたいに、ゲームでもして、
誰もあたしの到着が遅れるのを不審に思わないよね。
とくにあいつなんかは・・・。