I'll be with you.
第18章 偽り
廊下から誰かが走ってくる足音。
その足音は俺の前で止まった。
『心君……ッ… カナは… ?』
「この中……」
俺が背もたれにしてるこの部屋にカナがいる。
優はその部屋の名前を見ると、目から大粒の涙をこぼした。
『……ICUって……ッ
ねぇ……心君…!!
カナがなんで病院に運ばれるの…ッ …!?
なんで…ッ…… !!』
「……優…」
俺の服を掴んで、涙でぐしゃぐしゃになった顔を隠すように何度も俺の胸を叩いた。
『なんで……ッ!!
なんでなの……ッ…』
子供のように声をあげて泣く優をただ抱き締めることしかできなかった
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