I'll be with you.
第24章 【第二部】欠落
俺らの中で1番海に近い家。
見慣れた扉の前に立ち、インターホンを鳴らすと
いつもの元気な声。
『シンちゃ〜ん!
おかえり~~!!』
「ただいま帰りました。
遅くなってすいません」
中に入るように促され、リビングに入ると
キッチンに立ち、りんごを剥いている
愛しい人。
「座ってろよ。危ないじゃん」
『へーきへーき!
心君は心配しすぎなんだよ』
「いいから座ってて。
りんごなら俺がやりますから」
こんな些細なやり取りでも、
幸せだと感じる。
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